もっとも感動。

全国民は五嶋みどりを聞くべき!!!と思うほど良かった。
もっと上手な人やもっと見た目がきれいな人はたくさんいるだろうけど、
彼女はそういう括りでは考えられない演奏をする天才です。
バイエルン放送響自体、柔らかくも力強い音を出す素晴らしいオケだった。
最初のワーグナーでその音を堪能し、いざみどり。
プロコフィエフは最初から最後まで、音楽をやるべくしてそこにいる彼女に圧倒され続けた。
上手だからとか好きだからとかとは次元の違う、ものすごい空気を感じる。
音楽で人を動かすことが出来るとしたらこういう音楽のことだと思った。
これが芸術で、こうでないものはエンターテインメントだと思った。
もちろんエンターテインメントが悪いわけではない。
だけど、以前「何もかも捨てていいと思わせるものを作らなきゃ芸術じゃない」
と言った人の話を友人がしていたことからも、
芸術とエンターテインメントは別の切り口の話なのです。
もし芸術として音楽をやろうとしている人がいたら、彼女の演奏を聴くべきです。
音が音であるための波動に哲学と人間が入り込んでいる感じ。
何がしみ出してこういうもの(個々の音とかいうレベルではない)になるんだろう。
私はこの数年に聞いた数少ないプロの音楽の中でもっとも感動しました。


最後はベートーヴェンの7番。
演奏前は軽く締める感じだなぁと思っていたのだが、にぎやかでした。
2楽章は、最初からこんな大きな音で大丈夫?と思うほどpが小さくなかった。
でもまったく自然に盛り上がる。
4楽章なんて迫力満点で、とても興奮しました。
ベートーヴェンの7番も何十回も聞いてるだろうけど、オケと音がマッチしていて最高。


今日は忙しくて吐き気がしそうだったけど、
数年に一度という超当たりコンサートで1年分以上の元気をもらいました。