いい宿 of the year

間違いなく私の中で最高の温泉旅館でした。
松本の奥、山の中にあるその宿の歴史は古い。
けれど最近改装をすすめたためハードとしては新旧の良さが混在している。
まぁ昨今はハードの良さは前提条件みたいなところもあります。
ここが良いのはそれを大きくクリアした上でのソフト面。
サービスが良い、細かな気配り、ごはんおいしくてヘルシー、と悪いところがない。
野菜中心のフレンチは地場産という泥臭さと、料理やお皿のモダンさのバランスが素敵だった。
朝ご飯も、大きな片口鉢ってこう使うとこんなにお洒落なんだー、と納得させられた。
もちろん、味は大満足。もうちょっと薄味でもいいけど。
温泉は気持ちがいいし、半露天のお風呂は寒いけど絶景だし、
山の紅葉は美しいし、アロマテラピーもきちんとしてるし、
唯一悪いと言えるのはフェイスタオルが少ないことと、
長野や山梨のワインがもっと揃っているといいなぁ、ということくらい。
近かったら絶対また行く。
松本の奥地は遠いけど、でもまた行きたい。
あ、携帯が完全に圏外なのが最高。


お昼に松本市内で食べたそばもシンプルなだけにおいしさがよくわかる。
いいものを食べるって大切なことなんだ、と再認識いたしました。
松本城は昔行ったので、今回は民芸家具を見る。
蔵をうまく使っていろいろなお店にしているのが(ありがちではあるが)やはり良い。
民芸のテーブルセット、欲しいなぁ。
一人暮らし程度じゃ無理かもしれないけど、結婚したら絶対こういう家具だな。
それで紬のテーブルセンター敷いて笠間とか益子の民芸の焼き物使う。
大倉陶園みたいな白磁と呉須も素敵だわ。
妄想が広がっています。


今日は下山してローカル線を乗り継ぎ、数年ぶりに祖母邸へ。
本来の目的はここなのだけど、それまでを満喫しすぎているかも。
ローカル線の本数が以前にも増して減っている(なんだか変な表現だけど)。
ローカル線の中でも主要な駅ですらものすごく人が少なくなって寂れているのも少しびっくり。
地方の状況が厳しい、というのは行ってみないとわからないものだ。
大きなお店が撤退していたりするとひしひしと感じるものがある。
こういう問題を考えるときに地方財政って必ず出てくるけれど、財政は手段であって
理由と対策を考えるときには文化的な側面からアプローチすべきなんだろうと思う。
田舎に都会的魅力を求めるのは間違っているが、
労働人口の減少や就業環境を改善するにはある程度(曖昧な言い方)の都市化が必要なのかしら?
最近流行りの、そして私の卒論にも登場した「コンパクトシティ」も解決策ではないと思うし。
根本から積み上げて考えないと結局中途半端な対策をするだけじゃないかな。
地方の定義やらメリットデメリットやらというところから。
どんな議論にも言えることだが、それがしっかりしてないと結局感情論になるのでは?
普段都会にいるとまったく感じないものの、これは日本という国の問題だと思う。
だって、東京も日本だけどこういうところも日本なのだから。


ということでリフレッシュ兼祖母孝行ついでに地方という問題も意識することが出来た旅でしたー。
とにかくあの宿は最上級にオススメです。