芸術と○○

例の『ニッポン』をおとといやっと読み終える。
後ろ3分の1くらいはなかなか面白かった。
解説者も書いているように「目障りな言い回し」は確かに散見されるのだが、
後半部は都市生活と公共建築と日本文化みたいな話なので。
ブルーノ・タウトという人は建築の表現的傾向と社会的傾向の両者を持っていたらしい。
私がより身近な問題として興味があるのはどちらかといえば後者。
さぁ、『ニッポン』を読み終えたので昨日今日は雑誌「Pen」です。
前も書いたように広告デザインについて。
私は広告というものは多かれ少なかれアプリオリに商業的な意味を持つと思っていた。
しかし世界には商業的意味をまったく重視しない広告デザイナーという人たちがいるらしい。
非常に面白い内容だったのだけれど、私はそうした広告作家には違和感を感じる。
既出の前提を排除するのがどうにも納得いかないので。
それと同様に、建築において表現主義的側面のみを追うのも違和感がある。
昨日の今日(というか「おとといの昨日」)で似たようなことを考えた。
私は社会と連動したクリエイターにより魅力を感じてしまう。
社会的なことを表現において実現しようとする活動が魅力的だと思う。
純粋芸術に心をひかれながらもなんとなく距離を置いてしまうのはそういうわけです。
自分と純粋芸術のつきあい方が下手なのです、きっと。